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倉敷・大原美術館

 11月5日(土)
 学生時代に愛読した内橋克人氏の「匠の時代」シリーズの中に、確か倉敷中央病院でボヤがあった際、天井裏や床下に防火壁がしっかりと設けられていたのがわかり、「大正時代にこんな所まで配慮して建てていたとは」と消防関係者が驚いていた場面があったのを覚えています。クラボウ中興の祖・大原孫三郎氏の偉さに感心したもんでしたが、その割にはそれっきり業績などを調べることもせずにいました。
 倉敷観光といえば、メーンは何と言っても大原美術館でしょう。エル・グレコ、ゴーギャン、マティスらの名作を一堂に集め、ベートーベンのデスマスクまであるときたら、よくぞここまで揃ったものだとため息が出るばかりです。
 これこそ金持ちの道楽だろうと思っていたら、そうでもないのが凄いところ。大原孫三郎氏が懇意にしていた画家・児島虎次郎から「優れた西洋美術のコレクションがないと、若い芸術家が育たない」と意見されたのを受けて、児島に蒐集を任せたのが始まりとのこと。
 そりゃ孫三郎氏本人だってコレクターとしての喜びはあったでしょうけど、この美術館自体も世のため人のためという性格を持っていたとは驚きでした。
 自分の会社さえ発展するなら横浜ベイスターズぐらい売り払ってもいいという、ドライな経営者さんにも、ちっとは見習ってほしいもんです。
倉敷・大原美術館_a0010524_0492699.jpg
 この本館以外に3つの建物がある。特によかったのは濱田庄司や河井寛次郎の焼き物
by maruyamamasaki | 2005-11-06 00:48


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