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「暖簾」

 4月7日(木)
 山崎豊子さんのデビュー作「暖簾」は、2代にわたる船場の昆布商人の物語。この中に、昆布から取った夜なきうどんのだし汁のおいしさを一層引き立たせるため、上等の昆布の端切れをうどん屋に安く卸し、独立したばかりの店の評判を上げる場面があります。
「暖簾」_a0010524_18534994.jpg 前夜の勤務中、「ジムでクタクタになるほどトレーニングした後、昆布だしの効いたうどんを食べたら、滋養たっぷりの旨味が空きっ腹にしみ込む感覚を味わえるのでは」と思いつき(←真面目に働けよ)、泊まり明けで解放となった本日の午前中にさっそく実行。目指すうどん屋は、昨年秋、友人が連れて行ってくれた船場の「味万」。
 いやぁ、想像以上の幸福感でしたねぇ。前に行った時はコストパフォーマンスの良さぐらいしか印象になかったのですが、その気で味わうと本当によく効いた昆布だしのお陰でトレーニング疲れを忘れるほど。天むす4個つきの定食780円(+梅田-本町の地下鉄代200円)で幸せになれるとは、安上がりぶりに我ながら呆れますけど。
 「船場商人にとって、暖簾=信用である」というのが表題作を貫くテーマ(文字通り命がけで暖簾を火災から守るシーンまであった)ですが、「味万」の暖簾(=写真、ブレててすみません)も庶民の味方であり続けてほしいものです。
by maruyamamasaki | 2005-04-07 20:22 | 関西の小説と映画


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